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学生時代。
それは、無限の可能性に胸を躍らせる一方で、限られたお小遣いと格闘する日々でもある。
部活動に汗を流し、学問に励み、時には淡い恋に心を焦がす。
そんな輝かしい青春の一ページに、ぜひとも刻み込んでほしいものがある。
そう、「旅」である。
若さという、何物にも代えがたいエネルギーがあるからこそ、旅は一層その輝きを増すのだ。
友と肩を組み、まだ見ぬ景色を求めて日本中を駆け巡る。
あるいは、大切な人と共に、心安らぐ温泉郷へ。
体力があればあるほど、体験できる世界の広がりは無限大。
「どこか遠くへ行きたい。忘れられない青春の思い出を作りたい。時間はたっぷりあるけれど、先立つものがない…」
これは、今も昔も変わらぬ、若人の切実な願いであろう。
かつて、若人の旅心は鉄道にあった
時代を少し遡ってみよう。
1980年代、日本の自動車産業は世界の頂点に立ち、若者の間では空前のマイカーブームが巻き起こっていた。
初期投資こそ必要だが、一度手に入れてしまえば新幹線や特急列車よりもずっと安価に移動できる自動車は、若者の自由な旅を後押しした。
結果として、鉄道からは若者の足が遠のきつつあったのだ。
この状況に危機感を抱いたのが、当時の日本国有鉄道、すなわち国鉄である。
1982年、国鉄は一つの画期的なきっぷを世に送り出した。
その名も「青春18のびのびきっぷ」。
価格は10,000円。
定められた期間内であれば、好きな5日間を選んで、全国のJR(当時は国鉄)の普通列車や快速列車が乗り放題になるという、夢のようなきっぷだった。
このきっぷは、まさに「時間はあるが金はない」という若者のニーズに完璧に合致した。
最強の旅の相棒だったのである。
当時の国鉄が流したテレビCMのセリフが、その熱気を如実に物語っている。
「おーいみんなー」
「せっかくの夏休みだー。」
「若いうちにしかできない旅をしろよー」
「ほら、机にかじりついてちゃだめ。」
このストレートなメッセージ。
国鉄がいかに若者をターゲットとして、その心を掴もうとしていたかが手に取るようにわかるであろう。
JRは若者を捨てた。
かくして「青春18きっぷ」は、若者たちの絶大な支持を受け、JRの時代になっても発売が継続された。
毎年60万枚から70万枚も売り上げ、単純計算でも80億円以上もの売り上げを生み出す、まさにドル箱商品であり続けた。
以前の「青春18きっぷ」は、その自由度の高さが魅力だった。
期間中であれば、自分の都合の良い5日間を自由に選んで利用できた。
一人でじっくり5日間かけて旅をするもよし。
あるいは、5人グループで1日だけ、わいわいと日帰り旅行を楽しむもよし。
そんな、使う側の事情に寄り添った柔軟性が、多くの若者に愛された理由の一つであろう。
しかし、である。
そんな「青春18きっぷ」に、ある意味で破壊的な変更を加えたのが、現在のJRだ。
なんと、連続する5日間での使用が義務付けられてしまったのだ。
さらに、自動改札への対応という名目のもと、複数人での利用もできなくなった。
これには、もちろんJR側の事情もあるのだろう。
しかし、少なくとも若者にとって、この変更はきっぷの魅力を半減させるものと言っても過言ではあるまい。
かつて若者の旅を力強く後押ししたきっぷは、その輝きを失いつつある。
そう感じているのは、決して私だけではあるまい。
闇に射す一筋の光 JAL、降臨す
打ちひしがれる若き旅人たち。
そんな我々に、救いの手を差し伸べてくれた存在がある。
それが、日本航空、JALである。
JALが提供する「スカイメイト」というサービスをご存知だろうか。
これは、25歳以下の若者であれば誰でも利用できる、驚異的な割引プランだ。
通常運賃から大幅に割り引かれるその価格設定は、まさに破格。
それだけではない。
JALは定期的に、さらに驚くようなキャンペーンを打ち出してくるのだ。
例えば、羽田から新千歳まで、わずか5,000円で行けてしまうというのだから、これはもう、良い意味で「どうかしている」としか言いようがない。
控えめに言っても、最高である。
鉄道という、かつては若者の旅の代名詞であった強力なライバルが、自らその魅力を削いでいる今。
JALは、虎視眈々と若者という巨大な市場を狙っている。
「高速バスなんぞに若者を渡してたまるか。これからは飛行機の時代だ」
そんな力強い意志が、この破格のサービスからはっきりと感じ取れるではないか。
結論
もはや言うまでもないだろう。
すべての学生諸君は、JALを使うべきだ。
鉄道での移動は、確かに風情があるかもしれない。
しかし、目的地へ着くまでに膨大な時間がかかる。
そして、混雑時には座れる保証すらない。
長時間立ちっぱなしの移動は、若さをもってしても堪えるものがあるだろう。
対して、飛行機はどうだ。
- 新幹線でも数時間かかる距離を、飛行機ならあっという間にひとっ飛びだ。旅先での時間を最大限に活用できる。
- 「飛行機は高い」という常識は、もはや過去のもの。「スカイメイト」やキャンペーンを利用すれば、鉄道よりも安く移動できるケースすらある。
- ドリンクサービスを楽しみ、雲の上からの絶景を眺める。そんなちょっとした優越感も、旅のスパイスになるだろう。
- 当たり前だが、飛行機は必ず座席が確保される。窮屈な思いをすることなく、快適に目的地まで移動できるのだ。
これだけのメリットを前にして、なお鉄道に固執する理由があるだろうか。
いや、ない(反語)。
もちろん、途中下車を繰り返しながら、気ままな旅を楽しむという鉄道ならではの魅力もある。
自分も鉄道の旅が大好きで、過去には東京から岡山までを在来線で、そしてさらにその先鳥取県は米子駅まで特急を使い、1日で走破したこともあるくらいだ。
途中で見た景色や、美味しいグルメは忘れることのできない、素晴らしい思い出となった。
しかし、明確な目的地があり、そこでの滞在時間を重視するのであれば、わざわざ不便を甘受してまで鉄道を選ぶ必要はないはずだ。
ケースバイケースであるが、多くの人にとってほとんどの場合、飛行機での移動が最良の選択となるのではないか。
拝啓JAL様へ、一つ要望を。
このような素晴らしい割引を提供してくださるJALには、感謝の念に堪えない。
まさに、学生の旅の救世主だ。
あえて一つ、さらなる期待を込めて要望を述べさせていただくならば、「予約を前日から可能にしてほしい」という点である。
現在の「スカイメイト」は、搭乗当日しか予約ができないという制約がある。
もちろん、これだけの割引を提供していただいているのだから、文句を言う筋合いではないのかもしれない。
しかし、もし前日予約が可能になれば、旅の計画はさらに立てやすくなり、より多くの学生がJALの翼を選ぶことになるだろう。
今後の改善に、大いに期待したいところである。
最後に
学生よ、JALを使え。
JAL最高。